飛び出せ!羽ばたけ!印象派!!

こんにちは!
一般社団法人 日本アート教育振興会の河野です。

今日は前回の続き。

印象派を生んだ発明について
お話ししますね。

さて、

前回は
3つのあるものが発明されたおかげで、
印象派が生まれるきっかけとなった。

とお話ししました。

1つ目は
「チューブに入った絵具」

でした。

残りは何だと思いますか?

2つ目は
「写真」

3つ目は
「鮮やかな色味の絵具」

なのです。

順番にお話ししていきますね!

まずは
2つ目の発明
「写真」

それまでも
レオナルド・ダ・ヴィンチや
フェルメールなんかが
下絵を描くのに使用したといわれている
ピンホールカメラやカメラ・オブスクラはありました。

しかし、それらは
現在のように写真を現像できるものではなく

画家がこの箱の中に入り、
壁に紙を貼り、
映っている像を描き移すことで、
実際の光景とそっくりの下絵をつくるための
レンズすらついていない装置でした。

次第にカメラの技術も進歩していき
写真が発明されました。
しかし最初は1枚の写真を撮影するのに
なんと8時間もかかっていたのです。

8時間!!!

朝撮り始めて、
夕方までその場を動けないんです!!

辛すぎる!

しかし
技術の発展と共に
撮影時間も30分と短くなり、
なんとプリクラのようなものも流行しました。

19世紀には電球も発明され
屋内での撮影も可能となりました。

それまでの絵画は
出来るだけ筆跡を残さず、
現実をいかにそのまま写し取るか
という役目を担っていました。

記念写真のように
緻密に正確に滑らかなタッチで
肖像画を描き、
風景を描き出していました。

しかしいかに緻密な絵を描こうと
写真にはかないません。

完敗です。。。。

絵画は現実を写し取る役目を
しぶしぶ写真に譲らざるを得なくなったのです。

またカメラや写真が大衆の間に普及するようになると、
日常的な被写体をラフな雰囲気で早撮りする
スナップショットの時代が始まります。

かしこまった雰囲気でなく、
人々の暮らしの息遣いを感じられるような写真から
画家たちはインスピレーションを得て、
チューブの絵具を握りしめ
アトリエの外に羽ばたいていったのでした。

そしてさらに3つ目の発明

「鮮やかな色味の絵具」

印象派は光を描き出しているのですが、
光なだけに色がすごく鮮やかだと思いませんか?

あれって、古来の絵具では出せない色味だったのです。

18世紀までは
絵具は鉱物や植物からとれる顔料を元に作られていました。

しかし19世紀に入り、
美しい発色と安価な価格を兼ね備えた化学合成顔料が登場します。

それまで高価だったウルトラマリンブルーも
化学合成された顔料で安く手に入るようになりました。

ウルトラマリンは
半貴石のラピスラズリを細かく砕いてすりつぶし、
顔料にしていました。

なんて高価でぜいたくな絵具なんでしょう!

因みにウルトラマリンブルーは
日本では瑠璃色と呼ばれ
仏教の七宝の一つでした。

また明るい空色のような鮮やかなセルリアンブルーは
印象派の画家たちが好んで使用しました。

しかし印象派三大画家であるルノワールはというと、

発色が良すぎて扱いが難しい。。。

と仲間にぼやいていたそうです。

印象派はこのように鮮やかな色味の絵具を
混色することなく
短く力強いタッチで
キャンバスにのせていくことで
光の移ろいを表現しようとしたのです。

色って混ぜれば混ぜるほど
色が濁り
彩度が落ちていってしまうんです。

出来るだけ鮮やかな色は残したい。

そこで印象派の画家たちは考えました。

「そのまま塗ればいいんじゃない?」

しかしそれでは絵に深みは出ません。

「じゃあパレットで混ぜる色を
横に塗ればいいんじゃない?」

隣り合う色が
視覚の中で混ざり合うことを計算して
キャンバスに塗り重ねていったのです。

チューブに入った絵具
写真
色鮮やかな絵具

近代化の波が
印象派を生み出すことなりました。

印象派の絵画は、
離れて見るのと近くで見るのとでは、
全く違った顔をのぞかせます。

近づいてタッチを眺めたり、
離れて光の雰囲気を味わったりと
楽しんでみてください。

距離が違うだけで
同じ絵なのに見え方が変わってくるって
面白いですよね。

そして
距離だけでなく、
見る人が違うと
同じ絵でも
それぞれに感じる印象も大きく変わってきます。

私たちJEARAでは
様々な視点を知ることが出来る。
対話型鑑賞の無料体験会を行っています。

一人で鑑賞しているだけでは出会えることの出来ない経験です。
是非遊びに来てください。

絵画を見ながら対話をすると
あなたの美意識、創造性、思考力が育つ!
アートマインドコーチング


よろしければ、詳細ページをどうぞご覧ください。
ご参加された方は、一様に
「楽しかった〜!」
「自分がこんな発想が出るなんて驚き!」
とおっしゃってくださいます。

zoomで開催なので、ご自宅、アトリエなどからボタンひとつでご参加できます。
無料でご体験いただけます。
是非ご遠慮なくご参加ください。

詳細はこちら

関連記事

TOP
お問合せ 体験予約 法人HPへ Top Pageへ メルマガ登録